バイオ・ライフサイエンス事業において研究者ニーズや市場規模を把握するために市場調査会社を利用したマーケティングリサーチの手段が幾つかある。どのような調査手法を用いれば目的に叶う洞察が得られるのか、調査会社に委託する場合のポイントについて見ていこう。
今回、バイオ・ライフサイエンス系のマーケティング調査においてよく用いられる手法として、「デスクトップリサーチ(Desk Top Research)」、「サーベイ(Survey)」そして「デプスインタビュー(Depth Interview)」の3種類について比較する。
目次
起案段階で仮説を構築したい場合はデスクトップリサーチ
デスクトップリサーチとは、主にインターネットなどの公開情報などを収集・分析したり、場合によっては少数の業界関係者(参入メーカー等)へのヒアリングを行うことで根拠を補完し、レポートを作成する調査手法だ。市場規模の推定値や市場動向をまとめた報告書(リサーチレポート)が主な成果物になる。例えば、バイオ・ライフサイエンス事業への新規参入がまだ起案段階の場合、ターゲットとなる市場について仮説を構築し、業界の魅力を分かり易く理解するために、リサーチレポートを活用することが可能だ。
客観的・俯瞰的に自社の位置付けを把握したい場合はサーベイ
サーベイとは、調査や測定を意味する言葉だ。リサーチとの違いは、サーベイは大規模なパネル(アンケート回答者)を用いた定量調査であり、数表(集計データーやグラフ)が主な成果物になる。例えば、開発中のライフサイエンス機器について、そのプロトタイプのスペックがエンドユーザーのニーズに合っているかどうかを評価する場合に、主観が入らないサーベイデーターが役立つ。実際、海外のバイオ・ライフサイエンスツールメーカーでは、ユーザーニーズを把握しながら効率的に研究開発を進めるために、サーベイが活用されている。
より深く顧客の行動理由を調べたい場合はデプスインタビュー
サーベイで特定の回答(例えば、自社製品の購買に否定的な回答)をした人だけを対象に、さらに深堀りして詳しく行動の理由を探るのにデプスインタビューが使われる。これはコンサルタントが先入観を与えないように中立的な立場で質問を行いうことが必要で、インタビューのテクニックが求められる。
BioSurveyは先入観を排除したマーケティング調査が可能
BioSurvey(バイオサーベイ)バイオ・ライフサイエンス市場調査は第一線で活躍するバイオ・ライフサイエンス研究者 約3800名(2020年10月 時点)をパネルとしたサーベイサービスだ。クライアントの社名は伏せてサーベイを実施するので、先入観を排除できるのと、秘密性が高い新規参入プロジェクトや新製品のプロトタイプ評価等にも適している。またオプションでデプスインタビューも実施可能だ。
まとめ
バイオ・ライフサイエンス事業に関する調査テーマを市場調査会社に委託する場合、よく用いられる手法として、「デスクトップリサーチ(Desk Top Research)」、「サーベイ(Survey)」そして「デプスインタビュー(Depth Interview)」がある。社内の課題や目的に応じて適切な手法を選択すると良いだろう。